マグネシウム(Mg)に関して、NHK-TV「ためしてガッテン」より

普段、体の中の金属で話題になるのは鉄不足や亜鉛不足などでマグネシウム不足はあまり聞きません。
しかしマグネシウムは心疾患糖尿病の2大疾患に重要な役割を果たしていることが判り、
今回NHKの番組「ためしてガッテン」でこのマグネシウム(Mg)が取り上げられました。
今回はこの番組で示された内容の概要を紹介したいと思います。

1)人とマグネシウムの歴史
 マグネシウムはほとんどの岩石や海水に含まれており、生命誕生の際、単細胞から多細 胞への進化する時大量にあるマグネシウムがDNAの複製をスピードアップするのに大いに貢献した。
現在すべての細胞内にまんべんなく存在するのはその名残でありエネルギーを作り出す手助けをしている。
(したがって体内のマグネシウム量が少なくなると機能不全、病気になったりする)

2)人体中に金属はどれくらいあるのか。
 人の血液を採取し分析すると約60種もの金属が含まれていることが分かった。 (人体中の全金属の合計値段は1311円、またこの60種の金属は全て相当する漢字がある。因みにマグネシウムは

その中で鉄、亜鉛とマグネシウムの含有量は、体重60kgの人では
亜鉛(Zn):1.7g、鉄(Fe):5g、マグネシウム(Mg):30gと
圧倒的にマグネシウムが多いことが分かった。

3)人体の中でマグネシウムはどんな働きをしているのか?
一般的な効能としては糖や脂肪からエネルギーを作る酵素にマグネシウムが働くと酵素の働きを活性化し心臓の働きをアップする、またスタミナ不足や片頭痛の予防に効果的とされている。
今回の番組内のモデル的な説明では、マグネシウムが酵素に働くと、
①血管を広げることにより心疾患を防ぐ。
②血管(血液)中の糖を細胞内に移すことにより糖濃度が減り糖尿病を防ぐ。
というものであった。

4)詳細な調査研究の結果(定性的表現のみ)
国立循環医療センターが15年間に亘り8万5千人を調べた結果、マグネシウムの摂取量が多いほど心疾患の発生率が少なかった(約3割)。
九州大学の研究チームが2000人を対象とした調査では、マグネシウムの摂取量の増加と共に糖尿病の発生率が4割減少した。

5)日本人のマグネシウム不足と含有食品
マグネシウムの大体の一日の摂取推奨量は
男性は350mg~370mg、女性は260mg~280mgとされているが不足している人が多いとされていて
大体、不足量は 男性:100mg/1日、女性:50mg/1日と言われている。
(これは豆腐半丁、アーモンド25g、納豆1パックで補えるとされる。)
意識して積極的な摂取が必要。

6)マグネシウムは今工業の分野で注目を集めている。
マグネシウムは鉄やアルミニウムより軽いが燃えやすい。
熊大は軽く、強く、錆びず、燃えない合金を開発した。
米ボーイング社は熊大と共同研究を始めた。

以上が番組の概要(一部省略した)ですが

マグネシウムに関して、昨年末の新聞記事をご紹介。
(2019.12.26日経産業新聞)
耐熱マグネシウム合金の不燃化
熊本大学先進マグネシウム国際研究センター
川村能人教授らは、すでに200℃程度の高温下で市販の耐熱マグネシウム合金より1.8倍程強度が高い「KUMADI耐熱マグネシウム合金」を既に独自開発していた。
ただし発火温度約880℃なので米連邦航空局(FAAの燃焼試験で使われるバ―ナ―の火炎温度(950℃)よりも低く、絶対に燃える事がない不燃性ではなく実用化の課題となっていた。
研究チームは上記既開発合金にイッテルビウム(Yb)、カルシウム(Ca)、ベリリウム(Be)のうちいずれかをごく微量加えることで発火温度を1000℃以上に上げられる事を確認した。
今後航空機や自動車等の輸送機器へのマグネシウム合金の使用による軽量化(費向上)が期待される。

尚KUMADIマグネシウムに関しては次のサイトをご参照。
分かり易く紹介→動画
詳しく紹介以前のブログ

 

<参考サイト>
○マグネシウムと心疾患関連サイト
参考サイト1
参考サイト2
参考サイト3

○マグネシウムと糖尿病関連サイト
参考サイト1
・参考サイト2
・参考サイト3