金色のミドリムシ(ユーグレナ)とは

ミドリムシ(学名はユーグレナ)に関しては、開発当初NHKサイエンスゼロで過去何度も取り上げられ、またこれまでも各種メディアでよく紹介され一般に広く知られるようになった。(特にジェット機用油採取関連記事については弊過去ブログ(2記事)ご参照)

ミドリムシは虫ではなくワカメや昆布テングサなどと同じ「藻類」の仲間で植物・動物の両方の性質を備えており、体内に野菜、肉、魚などに含まれる50種類以上の栄養素を含む。このため将来の人類を救ものと期待されていて世界中が開発にしのぎを削ってきた。

このミドリムシ(ユーグレナ)に注目し、その人工培養に成功したのは、東大を出て一旦東京三菱銀行(当時)に入社しながら、結局退社し会社(学名と同じユーグレナ)を立ち上げた出雲充氏で、その後食品等で広く展開、現在は将来のジェット機用の燃料油の開発が進んでいる。このユーグレナは現在、沖縄石垣島の広い設備で太陽光培養されている。
できた製品粉末は葉緑体を含み薄緑色である。

一方、今回ここで紹介する金色のユーグレナは、神鋼環境ソリューションが水処理事業の中で2012年筑波大との共同研究で発見した新しいユーグレナEOD-1株」を食品機械事業で培ってきた微生物培養技術(タンクと撹拌技術)で生産を開始した商品「神戸ユーグレナ」だ。
先行開発の(通常の)ユーグレナが薄緑色なのに対しこのユーグレナ「EOD-1株」金色の粉末。

「EOD-1株」は、注目の健康成分「パラミロン」の含有率がなんと70%以上と一般的なユーグレナが15~20%程度なのに比べ、圧倒的に多く含んでいる。「パラミロン」は、これまでの食物繊維とは異なる働きをするため第三世代の食物繊維とも呼ばれている。

約8年をかけて開発された量産技術は、完全に密閉されたタンク内太陽光を必要とせず、無菌状態で行なう。したがって、不純物の混入や天候の影響もないので均質なユーグレナを安定生産できるという。

神鋼環境ソリューションは、すでにこの“金色のミドリムシ“を「神戸ユーグレナ」というブランドで食品メーカー向けの原料として販売して来たが、2020年6月からは一般消費者向けに「機能性表示食品」のサプリメントとして販売を開始した。

(以上の記事は以下の参考サイトおよび、日経産業新聞(9/29)を参考にとりまとめた。)

あとがき

ミドリムシを原料とした食品の開発・販売ではユーグレナ株式会社が先行し知名度も高いが、金色でパラミロンの含有量が圧倒的に多い商品名「ミカレアのパラミロン」がどこまで消費者に受け入れられ先行ユーグレナにせまれるだろうか。
特に興味深いのは大量生産方法の違いで、今後の進展を注目して行きたい。

<参考サイト>
神戸ユーグレナ(開発ストーリー)

神戸ユーグレナの販売開始(食品事業を開始)

動画、しごと人

パラミロンとは

パラミロン情報いろいろ