世界で初めての内燃機関による自動車がドイツで誕生したのは19世紀末。
その後、内燃機関車は100年以上に亘って順調に生産を拡大してきた。
しかしここに来て根本を揺るがすニュースが流れた。
フランスに次いで英国が2040年にガソリンなど化石燃料で走るエンジン車の販売を禁じる方針を発表したのだ。
また米国、中国、欧州も排ガス規制を強め、自動車メーカーはの開発と生産を加速する要に迫られており、当面は電気自動車(EV)に移行しして行くであろう。(最終的にはFCV?)
現在EV車を販売している会社は、日本では日産、三菱、米国ではテスラ、欧州ではVW他多数ある。(国、車種、内容等はここからご参照)
この様な状況の中、先日EVで出遅れているトヨタとマツダが新EVを開発する目的で提携した。
この様な状況によりEVに必須の電池関連部材やモーターなどで高い技術を持つ部品メーカーには大きなチャンスが到来したことになり、新たな主役になろうとしている。
国内にはEV向けの中核部品や素材で高いシェアを有する企業が多く存在する。
最も主要な部品であるリチウムイオン電池は、既に普及している民生用は日本が開発、製品化しながら現在韓国企業に席巻されてしまった。
しかし安全性・高機能・大容量が求められている車載用は日本がまだ優位にありこれからだ。
現に米国のテスラ車には、パナソニックが米国に工場を建設(ギガファクトリー、ネバダ州)し、テスラ車全量に納入しいる。先日テスラ社がモデル3を発売したことは大きなニュースとなった。
ガソリン車に必要な部品点数は約3万個だが、EVはエンジン関連などガソリン車の約4割の部品が不要になると言われている。
ガソリンエンジン部材とメーカー等は次の通り、
1.エンジン系
・ピストンリング・・・リケン、TPR、日本特殊陶業
・燃料噴射装置・・・ケーヒン、ミクニ
2.駆動系その他
・駆動系・・・エクセティ、エフ・シー・シー、アイシン・エイ・ダブリュウー
・マフラー等・・・住友理工、フタバ産業
一方、電気自動車EVのおもな部品は、
リチウムイオン電池、モーター、充電インフラ、インバーターに大別される。
それぞれの部品の部材とメーカーは次の通り。
1.リチウムイオン電池
・セパレーター・・・旭化成、東レ、
・正極材・・・・住友鉱山、戸田工業
・負極材・・・日立化成、JFEケミカル
・電解液・・・三菱ケミカル、宇部興産、三井化学
2.モーター
・駆動用モーター・・・明電舎、日本電産、安川電機、日立オートモーティブシステムズ
・レアアース磁石・・・信越化学、日立金属
・電磁鋼板・・・・・・・新日鉄住金、JFEスチール
3.インバーター
・明電舎、カルソニックカンセイ
4.充電インフラ
・日本ユニシス、豊田自動織機
5.その他
・パワー半導体・・・富士電機
・
その成長性の期待から上記会社の株価も近年大きく上昇しているところが多く、今後も継続的な伸び及び新規な企業の台等も予想される。
いずれにせよ、環境規制、排ガス規制の強化で、EV車市場は今後急速に普及していくと予想されている。
一方高度な技術が必要であった内燃機関関連部品が不要となり、今後の産業構造が大きく変化して行くことになる。
(日経7.28参照)