宇宙エレベーターへの第一歩スタート

現在人間が宇宙に行くにはロケットに乗って行くしかないが、膨大なエネルギーが必要で、且つ多大なコストが掛かる。この問題を解消し、多くの人が宇宙に簡単に行ける様にしようというのが「宇宙エレベーター」である。

宇宙エレベーターの構想自体は1960年に出されているがその後はあまり進展しなかった。しかし1991年日本人が発見した新素材カーボンナノチューブ(CNF)が宇宙エレベーターに必要な超高性能ケーブルを実現出来る可能性が出、急速に検討が進み始めた。

大手ゼネコン大林組は大学などと共同研究をすすめており2050年の完成を目指している。

その基礎実験がいよいよ来年早々にも日本で始まる。

その準備段階として、今月9日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた日本の無人補給船「こうのとり」6号機に今回の実験用の超小型衛星が積まれており、13日国際宇宙ステーション(ISS)に到着した。

超小型衛星は静岡大山極芳樹教授らのグループが作製。宇宙でのケーブルの挙動や摩擦など、基礎データを取得する。

衛星の大きさは10cmの箱形を2基合体させた形で片方に0.4mmの釣り糸を巻いたリールが入っている。ISSから放出した後、宇宙空間で二つに分離し糸を最大100m伸ばすのが今回の実験の主な目的。先ずは小さな実験からのスタートだ。

最終的な宇宙ケーブルの実現に向けての課題は、超高性能(軽く高強度)なケーブル素材の開発や宇宙で数万キロメートルに及ぶケーブルを地球から真っ直ぐに伸ばす技術の開発である。

今後の進展を注目して行きたい。