再生エネを空気に貯める、空圧電池の実証実験

電力を貯蔵することについては、
少量では昔からアルカリ乾電池など各種乾電池や、最近ではリチウムイオン電池、
新しいところではナトリウム硫黄電池などがあり、
中容量電池として鉛蓄電池や、リチウムイオン電池、酸化還元反応を活用するレドックスフロー電池も開発されつつある。

一方大量の電気を化学物質等を使わず安全に貯める方法としては、これまで揚水発電が用いられてきたが、最近これまでの方法とは全く異なる方式が注目され実証実験が行われている。

それは「空圧電池」とよばれ、圧縮空気を利用し大量の電気を貯める方法で、原理としては極めて簡単ではある。
すなわち余剰電気として送られてきた電気で圧縮機を動かし大きなタンクに空気を押し込み溜めておく。電気が必要な時はこの圧縮空気を放銃し発電機を回し電力を得る。

今回実証実験を行ったのは、エネルギー工学研究所NEDO早稲田大学らが
神戸製鋼所の装置を使って静岡県伊豆の河津町で実施した。

空気は10気圧でタンクに押し込まれた。装置の貯蔵能力は1千キロワット。圧縮機を動かす電力は近隣の風力発電所から送った。
2018年度末迄実験を続けて性能を評価する。


空圧電池実証実験装置(下記参照サイトより)

尚空気を圧縮し貯蔵する時は空気の温度が上がり、発電する時は膨張のため温度が下がるので、温熱や冷気として回収出来る。
これは断熱圧縮断熱膨張という原理で、色々な機器に応用されている。
(断熱圧縮は、自転車の空気を入れた時空気ポンプの下が熱くなっていることで実感出来ますね)
この技術の特徴は、媒体として空気しか使わないので、安全性が高く、寿命も長い。

空気を使う電力貯蔵技術を他の方式と比較した概要を下表に示す。

<電気を貯蔵する技術の主な性能比較>
圧縮空気
エネルギー
貯蔵
リチウム
イオン
電池
鉛蓄
電池
NAS
電池
レドックス
フロー
電池
充放電
効率
55~
70%
85~
95%
75~
85%
75% 70%
コスト
耐用年数 20年以上 6~10年 15年 15年 15年
安全性
設置面積
(日経新聞(2017.7.2)より転記)

再生エネルギーの普及につながるこれら電力貯蔵技術は今後とも開発競争が激化しながら技術向上が図られ、適材適所で使われる様になってゆくと考えられる。

安全性、原理の単純性、耐用年数などからこの「空圧電池」の今後の発展が期待される。

<参考サイト>
圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)システムの実証試験を開始