活性酸素の発生量が2倍になる酸化チタン製造法

酸化チタンが光触媒の機能を有することが一般に知られているようになりその応用製品がいろいろなところで使われている。

その光触媒作用とは、光によって酸化チタンの表面に発生する活性酸素が有機物を分解する反応を起こし有害物質や汚れなどの除去に利用できることを言う。

酸化チタンの結晶の構造や大きさによって活性酸素の発生量は異なるがその量が多ければ反応速度が上がり優れた浄化機能位を発揮する可能性があると言われている。

酸化チタン(TiO2)は粉末として試薬で入手出来る。しかし光触媒としての酸化チタンは一般にチタンのイオンをアルコールに溶かした市販の「チタンアルコキシド」(液体)を原料にして作る。この液体を更にアルコールで薄め水を加えると酸化チタンが析出する。

この酸化チタンを分離、乾燥、焼成、粉砕のこうていを経て光触媒にする。

酸化チタン光を当てた時に表面に発生する活性酸素濃度は電子スピン共鳴装置(ESR)で調べる。

山形大は酸化チタン作成工程で水を加える前にアルカリ金属のイオンを添加することで従来の2倍の活性酸素が発生する酸化チタンを作ることを発見した。粉末の他薄膜も作れるという。

酸化チタンによる光分解性の試験は色素の一種であるチレンブルーを使って調べ、新手法で作った酸化チタンの分解性が優れていることが確認された。

今後は活性酸素の発生の仕組みを解明し、耐久性(効果の持続性)を検証する。

また実用化に向け複数の企業と協議を進めている。