身の回りにある微弱エネルギーで発電しIoTを回す

私達の身の回りには光、風、熱、振動、圧力、磁力などの微弱なエネルギーが溢れている。これらの身の回りの微弱エネルギーで電気を起こすことを一般に環境発電と呼んでいたが
最近ではエネルギーハーベスティング(微弱エネルギーの収穫)と呼ばれているようだ。
光と風とについては、ご存知の様に大規模な発電装置もでき一般電力としての利用も高まってきた。しかしその他は大きな電力を取り出す装置化に至らず十分活用されていない状態であった。

一方近年あらゆるものがネットに繋がるIoTが広がり、センサーや送信技術の発達と共にこの信号を送信するための分散電源の必要性が高まってきた。この電池はそれほど大きな容量はいらないが、一つ一つのIoT機器に必要なため、交換等の手間がかからない二次電池と発電機器が必要だ。其の発電機器として微弱な光や風、熱、振動、圧力、磁力等による発電装置が盛んに開発されるようになった。

其の具体例を幾つかご紹介したい。

1.温度差を利用する例

例1.マンホールのフタの裏に下水道の水位や温度、位置情報を測るセンサーを仕込んでセンサーで各データをとり、通信機器で其のデータをクラウドに送る。その電気は昼間太陽熱で照らされ熱くなったフタと底を流れる下水との温度差で熱電変換素子が熱を電気に変えることで得えられる。通常の電池では交換日管理や交換に手間や費用が掛かるが、温度差発電でそのコスト低減を図る。(後記の2サイトご参照)

クラウドwatchより

例2.コマツ子会社のKELKの装置は、工場機器の稼働熱と外気との温度差で発電し、温度や振動等のデータをクラウドに送信し、工場の機械の管理と実施する。その素子は2~3℃の温度差があれば100μwの電気を作り出せる。また超小型化を図り、ボルトの中に組み込んで使うタイプも開発が進んでいる。

2.微弱な光で発電する例

日陰や室内の僅かな明かりでも発電する「色素増感太陽電池」を使ったセンサーが開発されている。一般的な太陽電池は数万から数十万ルクスの光を必要とするが、フジクラの太陽電池は室内証明程度の300ルクスで24時間センサーを動かせる。フジクラが手がけるのは気温や湿度、人感など5つのセンサーを組み込んだユニット。光合成する植物の様に光を浴びた色素が電気を帯び電解液を通じて電極に電気を運ぶ。既に橋梁の橋桁等に設置され建て替え時期の見極めに使われてている。

3.磁力を使って発電する例

電源ケーブルが発している磁界をコイルで受け発電する超小型装置。現在普通の電流計はこの原理で発生した電気を測定しているが、大型過ぎ自動送信しない。
これを、工場などの設備の電源ケーブルにクリップの様な形状のセンサーを着けるだけで電流量を測定し、更に自動でデータをクラウドに送信することで設備一つ一つの消費電力を一箇所で管理出来る。

4.圧力を感じて発電する例

私案で恐縮だが、私が常々考えているのは、階段での発電だ。大きな駅では毎日何万人もの人が階段を利用する。床では人の足による圧力は体重程度しか無いが階段では登りも下りも勢いが付いているので体重以上の圧力がかかっている。これを利用しない手はないのではないか。もう一つは、車道の交差点やETCのゲート等一旦車が停車するところは圧力が得られるのではないでしょうか。今のところこれらの圧力発電の情報を十分集めてないので今後ウオッチして起きたいとおもいます。

と脱線しましたが、この原理を利用した例が東京都心の地下街に設置されている。
シャッターの降下時に人が挟まれると座板が押され内臓のバネが伸縮し、この動きで発電し無線でシャッターを止める信号を送るシステムだそうだ。

 

<参考サイト>
1.マンホールへの設置関蓮
◯環境から「収穫」した電力で自立するデバイス
富士通、マンホール蓋をセンサーノード化、ゲリラ豪雨対策の下水道氾濫検知ソリューション販売開始

 

 

その他面白そうなテーマとして、
公共の電波を電力に変える研究が進んでいる。

参考サイト:「環境電波の電力変換技術」って何だ?

本件で新しい情報を入手したらご紹介したい。